6月になり、日中の気温も高くなってまいりました^^;
日本の夏は、暑さと湿気のダブルパンチなので、汗かきの人にとって悩みが深い季節です。
市販の制汗剤や汗拭きシートでは対策が不十分で悩んでます、という方に。
汗が気になる深刻度が強い場合「原発性局所多汗症」という病態と診断し、
ワキと手汗の多汗症には、保険適応の治療があります。
1. 外用薬(塗り薬)
◎ワキ汗の外用薬 :「エクロックゲル」「ラピフォートワイプ」
ワキ汗を抑える働きがある保険適応の外用薬で、中等症以上の多汗症に効果的です。
毎日、入浴後清潔にした後、ワキに外用し、薬液が乾いてから衣類を着ます。
効果は早い人で1週間頃から実感でき、その後も継続することでしっかりとした効果が出ます。
◎手汗の外用薬 :「アポハイドローション」
手汗を抑える働きがある保険適応の外用薬で、中等症以上の多汗症に効果的です。
毎日、夜寝る前に、両手に4~5プッシュ広げて外用し、乾くまで待ちます。
手についた外用剤が目や口の中に入らないように、注意してください。
(目や消化器の副作用が起こることがあります)
◎保険適応外の外用薬 :塩化アルミニウム製剤
当院で取り扱いしているのが、スプレータイプの院内製剤の「汗水」と、海外から個人輸入している「パースピレックス」
汗が気になる時だけ外用して、比較的即効性のある外用剤です。
「パースピレックス」はローションタイプの手足用とロールオンタイプのワキ用があります。
◎汗の臭いが気になる :ミョウバンなど
D-チューブ、D-パウダーは、汗孔に作用する他、皮膚の常在菌の繁殖を抑えて、汗臭さを改善する効果があります。
かぶれにくいので、肌が弱い方や、小さいお子さんの汗もにもお勧めです。
2. ボトックス注射
A型ボツリヌストキシン注を汗の気になる部位(ワキ、手のひらなど)に注射し、汗の分泌を抑えます。
重症な多汗症に対しても効果が期待できます。
効果は約6〜9か月ほど持続します。
3. 内服薬
抗コリン薬(プロバンサインなど)や抗不安薬、漢方薬などを使って汗の量を抑える方法です。
抗コリン薬は、全身的な汗に対して効果がありますが、副作用(口の渇きなど)に注意が必要です。
漢方薬はその人の体質や体調を整える目的で処方します。
4. 手術・ミラドライ
当院では行っていませんが、手汗、脇汗に対しては交感神経遮断術、
ワキ汗に対してはミラドライという汗腺を焼く治療を行うことがあります(ミラドライは自費診療です)。
医療で行う汗の治療は、その方の肌の状態や、治療へのコンプライアンス、治療にかけられる費用によって治療法が変わってくるもの。
自分にはどの治療が合うのかわからない場合も、お気軽に診察でご相談くださいね。