気温が高い日が増えてきましたね。
汗かきの人にとって、湿気の多い日本の夏はとっても憂鬱な季節ですね。
汗のかきやすい体質は遺伝的要因が多い(家族内発症)とか、
発汗を促す交感神経が興奮しやすいとか、いろんな説がありますが、
まだはっきりとしたことはわかっていません。
全身的な多汗症では、内分泌代謝疾患や褐色細胞腫という病気に合併する場合があり、
急に多汗症状が始まった場合にはこれらの病気ではないことを確認することもありますが、
多くは原因のない原発性多汗症です。
精神的な緊張によって、汗がとまらなくなることがあるため、
とくに若い方では、多汗症状から、精神的に思い詰める方がいらっしゃいます。
また、更年期障害による自律神経の嵐の一症状として、
急にホットフラッシュが起きると、顔汗が止まらない、と悩んでいる方もいらっしゃいます。
今日は汗を気にせずに快適に過ごす方法について、ご説明しますね。
多汗症に対しては、当院では抗コリン剤(商品名;プロバンサイン)や漢方薬が処方できます。
そのほか保険適応外になりますが、外用治療(塩化アルミニウム、イソプロピルメチルフェノール)もあります。
プロバンサインはアセチルコリンの分泌を抑える働きがあり、汗腺からの発汗を抑えてくれる効果が期待できます。
内服後、1時間程度で効果が発現するので、屯用での使用も良いですよ。
ただし、口渇や目の乾き、尿の出が悪くなる、腹満、などの副作用があり、
それが原因で内服を続けられないこともあります。
その場合、漢方薬による治療を提案することがあります。
水太りの方には防已黄耆湯。
のぼせ症状の強い方には桂枝茯苓丸や加味逍遙散。
カッとなりやすい方には黄連解毒湯。
精神的なストレスが誘因になっている場合は、柴胡加竜骨牡蛎湯。
夏バテ症状が強い方は補中益気湯や清暑益気湯が有効な場合があります。
いずれも保険治療での対応が可能ですので、お気軽にご相談ください。
外用治療は保険適応外になりますが、当院では以下の製品をご用意しています。
有効成分は、塩化アルミニウムとミョウバン/イソプロピルメチルフェノールの二つに大別されます。
肌の弱い方は、ミョウバンもイソプロピルメチルフェノールもかぶれにくく、制汗作用のほか抗菌作用も持っているので、
水虫やカンジダ予防、体臭予防に効果的です。
(注;当院ではD−barのお取り扱いは、今現在しておりません)
塩化アルミニウムは、汗腺の孔をふさぐことにより、高い制汗効果を期待できます。
特にパースピレックスは効果持続期間が長いので、快適な状態を長く保てるとして人気です。
ただし、肌の弱い方はかぶれることがありますので、ご注意を。
当院では、これらの内服と外用をコンビネーションして治療に当たりますが、
ほとんどの場合、毎日継続する必要があり、継続が困難であったり、
治療の効果が不十分な場合には、ボツリヌス菌毒素による皮内注射を行います。
ボツリヌス治療については、
長くなってきたので、次回に続く、、、((≡゚♀゚≡))